2018年 05月 09日
画家「瀬戸英樹」 北海道近代美術館。
道立近代美術館で「ブリジストン美術館展」が催されています。
連休前に出かけました。
印象派の作品が多いのですが、日本人画家の作品も多く展示されています。
展示会場が近代美術館と三岸好太郎美術館の二つに分かれています。
近代美術館では海外の作品と青木繁、藤島武二の展示があり、三岸好太郎美術館では日本人画家の作品の展示でした。
青木繁「海の幸」は観たかった作品です。図版で観た印象よりサイズが小さかったのに驚きました。描かれている漁師と描く青木繁の間に強い緊張感を感じました。
今回紹介する画家「瀬戸英樹」は近代美術館の常設展で展示されています。
瀬戸英樹の名前は全く記憶から消えていました。
今回、瀬戸さん(以後瀬戸さんと呼ばせてください。)の作品(人形の絵)の前に立った瞬間、めまいが起きたように強い既視感を覚えました。
突然、私は約50年前に函館で、瀬戸さんのアトリエに行ったことを思い出したのです。
瀬戸さんの友人の方に同行させてもらったのです。私は好奇心が強いだけの若造でした。
アトリエに入るまでの瀬戸さんは、函館訛り(独特ですね・・・)が強く、若くて、元気で、明るく、ニコニコとジョークを連続して私たちを笑わせていました。
アトリエに入った瞬間、表情が緊張し厳しくなり、キレイな標準語で話し始め、全く別な瀬戸さんに変身したのです。私が度肝を抜かれた瞬間です。
そして、瀬戸さんは、絵の事なんかまったくわからない若造の私にも、真剣に絵の感想を聞くのです。
アトリエにある作品は、人形を描いたものが多く、その絵に強い印象を覚えました。描かれている人形たちは、見る人の心に虚無感と懐かしさを思い起こさせる不思議な雰囲気を持っていました。
それ以後、瀬戸さんにお会いすることはなく、作品に触れる機会もなく、申し訳ないことに名前も忘れていました。
展示会から帰宅後Internetで「瀬戸英樹」を検索してみると、北海道を代表する画家として高い評価を受けていることが分かりました。
瀬戸さんの絵を多くの人に知っていただき、観ていただきたくて、このBlogを書きました。
是非、近代美術館に足を運んで作品に触れて下さい。
サイズの大きな作品が多いのですが、隅々の細かなところまで緊張感をもって描かれていています。絵の前に立つと瀬戸さんが描く静謐で抒情的な世界に圧倒されます。
瀬戸さんの作品のコーナーです。このほかにも大作が数点展示されています。
2015年~2016年に函館で催された瀬戸英樹展の紹介の中で、瀬戸さんの略歴・活動について触れています。瀬戸さんは函館在住。旺盛に活躍されています。
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/217