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映画の話 「団地」坂本順治監督、藤山直美・岸部一徳主演

久しぶりに日本映画を観ました。
インターネットで、女優藤山直美がこの映画で海外の映画祭の賞を取ったことを知り、とても気になっていました。

「団地」坂本順治監督、藤山直美・岸部一徳主演
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昭和の団地を舞台に、住民が繰り広げる日常の中の非日常をコミカルに描いています。
パンフレットには、【DANCHI】なんでもありえる昭和の集合住宅、ウワサ転がる小宇宙、
とあります。
転がるとは、雪だるま(うわさ)が転がっていくうちにだんだん大きくなることも意味しています。
藤山直美とその夫の岸部一徳の会話が面白い。二人の軽妙な間が何とも面白い。
会話が大阪弁なのがいいんでしょうね。独特の間とリズムが笑いを作ります。
藤山直美はさすがに上手い。何気ない仕草、会話で存在感を感じさせます。
普通のおばさん役でありながら、観客を非日常の世界にスムーズに運んでいきます。
脇を固めている芸達者な役者さんたちもいいんです。
岸部一徳も渋い、いいですね。やる気のないような、どこかへ漏れるような口調がいいですね。若い人は、彼がタイガーズのベーシストで、サリーという愛称で活躍していたことを知らないかもしれない。
石橋蓮司は東京出身の設定になっていて、大阪弁の中、一人浮きそうになる東京弁(?)も演技でしょう。石橋蓮司は顔が怖いせいか(失礼)悪人の役が多いのですが、気の弱い、人のいい人物もこなします。
不思議な訪問者の役を、斎藤工が演じています。この人のことはよく知らないのですが、人気があるらしい。妙な日本語で荒唐無稽なことを話すんですが、滑舌のいい澄んだきれいな低音の声なんです。その声のせいなのか、登場人物も観客も彼の言っていることを信じるようになっていきます。声のいい人は得ですね。
ストリーは、観客に大した事件ではないと思わせて、最後にとんでもない仕掛けが待っています。もっとすごい非日常が起きます。そして、不思議なエンディング!
これにはぶっ飛んでしまいました。

あんまり制作費をかけていない感じです。勿論ギャラや本当の製作費は分かりません。でも、監督に才能があり、役者が良ければ、素敵な映画が作れるんですね。
日本映画もいいですね。

映画【団地】
藤山直美が第19回上海国際映画祭のコンペティション部門で、日本人女優としては初めて金爵賞最優秀女優賞を受賞した。

脚本・監督: 阪本順治

キャスト              
山下ヒナ子: 藤山直美
山下清治: 岸部一徳
行徳君子: 大楠道代
行徳正三: 石橋蓮司
真城: 斎藤工
宅急便の青年: 冨浦智嗣
東: 竹内都子
西: 濱田マリ
南: 原田麻由
北: 滝裕可里
吉住将太: 宅間孝行
スーパーの主任: 三浦誠己
権藤: 麿赤兒

by hitoshi-kobayashi | 2016-06-28 07:30 | Comments(0)