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映画の話 『ミス・シェパードをお手本に』 これ観ました。

マギー・スミスが演じるミス・シェパードが主役と思ったんですが、実はアレックス・ジェニングス演じる劇作家アラン・ベネットが物語を引っ張っていきます。

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アラン・ベネットが自身の実体験をもとに脚本を書き、マギー・スミスが16年間にわたり主演してきた舞台劇の映画化だそうです。

アラン・ベネットは高名な劇作家らしいんですが、イギリスのことは分からない・・・。

そうなんです。舞台はイギリスなんです。

会話がウイットに富んでいて面白いんですが、残念ながら生活習慣や価値観や宗教観が違うんで分からないことが多かったんです。


ミス・シェパードの紹介

ミス・シェパードは古いポンコツバンで生活している。

自由さ、プライドの高さ、人に頼らない自意識の強さ・・・・・頑固・偏屈

音楽嫌い(音楽の素養はある・・・・それもピアノ)

若い時フランスに留学していたらしい(フランス語ができる)。

ミス・シェパードは偽名らしい。過去を語らない。

自分はホームレスではないと言い張る。

若い時、修道院にいたらしい。教会に告解に行くことがある。ミサにもでる。

過去に大きな精神的ダメージがあるらしい。

信仰心は強い。祈る姿を見ることがある。

ときどき見せる純粋な少女のような表情。


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もう一人の主人公のアラン・ベネットは、ミス・シェパードにだんだん興味と親近感が生まれ、ミス・シェパードが亡くなる迄、15年間お付き合いをしてしまいます。

この人も変わった人ですが、ミス・シェパードに比べたら常識人でしょう。

アラン・ベネットには施設に入れざるをえない老いた母親がいます。

彼のミス・シェパードや母親に接している微妙な距離感に、個人の尊厳を守ることがいかに大切な事なのかを感じました。


「老い」もテーマの一つです。

ミス・シェパードもアラン・ベネットの母親も老います、それを見守るアラン・ベネットも。

ミス・シェパードを見ているうちに「こんな自由な生き方ができたらいいな・・・。でも絶対できないな・・・」と思い、映画のタイトル「ミス。シェパードをお手本に」の意味が分かりました。


マギー・スミスは、演技がとても巧みな凄い役者ですね。その存在感に圧倒されます。

アラン・ベネットを演じているアレックス・ジェニングスは負けず劣らずの演技です。

とても難しい役を軽々・飄飄と演じています。

映画では夜な夜な若者が独身のアラン・ベネットの家に通ってくるので、多分ゲイの設定なんでしょう。劇作家アラン・ベネットが、回想として本人が登場する脚本を書いているんです。面白いですね。最初は観ていて視点が混乱しました。

脇役もとても良くて、イギリスでは有名な役者さんたちなんでしょう。


決して暗い映画ではありません。

ラストシーンはとても衝撃的でコミカルでハッピーです。


by hitoshi-kobayashi | 2017-01-12 08:00 | Comments(0)