2019年 05月 25日
砂澤ビッキ展が二つの美術館で催されています。
北海道を代表する彫刻家・砂澤ビッキ(1931~1989年)の没後30年記念展です。
本郷新記念札幌彫刻美術館 砂澤 ビッキ -樹- 展
美術館の規模に応じて、比較的小さな作品が展示されています。
砂澤ビッキと云えば、巨大な木彫の作品を思い浮かべます。しかし、ここでの作品からは、砂澤ビッキの持つ別な一面である装飾的な美的感覚と、それを表現できるの高い技術を感じます。
作品は撮影禁止でしたので、添付のHPを是非ご覧下さい。
札幌芸術の森美術館 札幌美術展 砂澤ビッキ ―風―
芸術の森美術館では、大きな作品が展示されています。
作品の存在感に圧倒され、作品の前に立つと、暫くの間心を奪われ、足がすくみます。
芸術の森美術館の野外美術館では、常設で国内外のいろいろな彫刻家の作品が展示されてます。
そこに展示されている砂澤ビッキの作品《四つの風》は、1986年に設置され、高さ5.4メートル、直径90センチのアカエゾマツ4本の柱で構成されています。野外では、木彫の作品は、自然の気象の変化により朽ち果ててしまうことが懸念されます。現在、この《四つの風》は、3本の柱が倒壊し、1本の柱だけが残っています。砂澤ビッキはそうなることを解っていたはずです。それでもかかわらず、この作品を制作し野外に展示しました。自然と闘い、自身の変化に抗するのではなく、自然と対峙し、変化を受け入れようとする強い意志と高い精神性を感じます。
4本の柱が残っている写真は、インターネットからお借りしました。
これほど多くの砂澤ビッキの作品に触れる機会は、これから先めったにないでしょう。
私は、展覧会の会期中にもう一度行きます。