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西国三十三所のお寺と御詠歌 藻岩山の石仏さま(4)

藻岩山の西国三十三所の石仏さまにお会いしてから、石仏さま由来のお寺が気になり、調べてみました。

第一番の和歌山県・青岸渡寺に始まり、大阪府、奈良県、京都府、滋賀県、兵庫県、第三十三番の岐阜県・華厳寺が最終です。藻岩山の石仏さまの横には、それぞれのお寺を詠み込んでいる御詠歌の石柱がありますが、経年の風雪よる破損もあり、石柱が苔に覆われたりしているため、読み取ることができませんでした。

インターネットで、調べました。便利な時代です。

恥ずかしながら、私の力ではすべての御詠歌を理解することができませんでした。

でも、西国三十三所を廻り、それぞれのお寺で御詠歌を唱える姿と、藻岩山の登山道に安置されている石仏さまのお参りする姿が重なり、敬虔な信仰心に微かに触れることができた気がします。


西国三十三所、お寺、所在地(府・県)、御詠歌


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第一番 青岸渡寺 和歌山県  補陀洛や 岸打つ波は 三熊野の 那智のお山に ひびく滝津瀬

* 第二番 金剛宝寺 和歌山県  ふるさとを はるばるここに 紀三井寺 花の都も 近くなるらん

* 第三番 粉河寺  和歌山県  父母の 恵みも深き 粉河寺 ほとけの誓ひ たのもしの身や

* 第四番 施福寺  大阪府   深山路や 檜原松原 わけゆけば 巻の尾寺に 駒ぞいさめる

* 第五番 葛井寺  大阪府   参るより 頼みをかくる 葛井寺 花のうてなに 紫の雲

* 第六番 南法華寺 奈良県   岩をたて 水をたたえて 壺阪の 庭にいさごも 浄土なるらん

* 第七番 岡寺   奈良県   けさ見れば つゆ岡寺の 庭の苔 さながら瑠璃の 光なりけり  

* 第八番 長谷寺  奈良県   いくたびも 参る心は はつせ寺 山もちかいも 深き谷川

* 第九番 南円堂  奈良県   春の日は 南円堂に かがやきて 三笠の山に 晴るるうす雲

* 第十番 三室戸寺 京都府   夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波

* 第十一番 上醍醐 准胝堂 京都府  逆縁も もらさで救う 願なれば 准胝堂は たのもしきかな

* 第十二番 正法寺 滋賀県   みなかみは いづくなるらん いわまでら きしうつなみは まつかぜのおと

* 第十三番 石山寺 滋賀県   後の世を 願うこころは かろくとも ほとけの誓い おもき石山

* 第十四番 三井寺 滋賀県   いで入るや 波間の月を 三井寺の 鐘のひびきに あくる湖

* 第十五番 今熊野観音寺 京都府  昔より 立つとも知らぬ 今熊野 ほとけの誓い あらたなりけり 

* 第十六番 清水寺 京都府   松風や 音羽の滝の 清水を むすぶ心は 涼しかるらん

* 第十七番 六波羅蜜寺 京都府  重くとも 五つの罪は よもあらじ 六波羅堂へ 参る身なれば

* 第十八番 六角堂 頂法寺 京都府  わが思う 心のうちは 六の角 ただ円かれと 祈るなりけり

* 第十九番 革堂 行願寺 京都府  花を見て いまは望みも 革堂の 庭の千草も 盛りなるらん

* 第二十番 善峯寺 京都府  野をもすぎ 山路にむかふ 雨の空 善峯よりも 晴るる夕立

* 第二十一番 穴太寺 京都府  かかる世に 生まれあふ身の あな憂やと 思はで頼め 十声一声

* 第二十二番 総持寺 大阪府  おしなべて 老いも若きも 総持寺の ほとけの誓い 頼まぬはなし

* 第二十三番 勝尾寺 大阪府  重くとも 罪には法の 勝尾寺 ほとけを頼む 身こそやすけれ

* 第二十四番 中山寺 兵庫県  野をもすぎ 里をもゆきて 中山の 寺へ参るは 後の世のため

* 第二十五番 播州清水寺 兵庫県  あはれみや 普き門の 品々に なにをかなみの ここに清水

* 第二十六番 一乗寺 兵庫県  春は花 夏は橘 秋は菊 いつも妙なる 法の華山

* 第二十七番 圓教寺 兵庫県  はるばると のぼれば書寫の 山おろし 松のひびきも 御法なるらん

* 第二十八番 成相寺 京都府  波の音 松のひびきも 成相の 風ふきわたす 天の橋立

* 第二十九番 松尾寺 京都府  そのかみは 幾世経ぬらん 便りをば 千歳もここに 松の尾の寺

* 第三十番 宝厳寺 滋賀県  月も日も 波間に浮かぶ 竹生島 船に宝を 積むここちして

* 第三十一番 長命寺 滋賀県  八千年や 柳に長き 命寺運ぶ歩みの かざしなるらん

* 第三十二番 観音正寺 滋賀県  あなとうと 導きたまえ観音寺 遠き国より 運ぶ歩みを

* 第三十三番 華厳寺 岐阜県  

世を照らす 仏のしるし ありければ まだともしびも 消えぬなりけり (現在)      

万世の 願いをここに 納めおく 水は苔より 出る谷汲 (過去)

今までは 親と頼みし 笈摺を 脱ぎ納むる 美濃の谷汲 (未来)


by hitoshi-kobayashi | 2019-07-25 08:00 | Comments(0)